多層民家

山形県田麦俣”多層民家”


県指定有形文化財
旧遠藤家住宅 

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遠藤家の近所に鷹匠の松原俊英さんの家があ
るのがわかります。(NHKで放映)
左のかやぶき屋根の家が現在の家で右に見え
るのが、観覧している民家と手前の水車小屋で
す。

 田麦俣部落は、庄内と内陸を結ぶ六十里越街道の要所であり、湯殿山信仰が盛んになるにつれて、宿場的性格を帯ぴてきたのである。このような環境の中に、この地方独特の建築様式を誇るかやぶきの民家がたくさん建てられるようになった。『旧遠藤家』もその中の一つとして、江戸時代後期の文化文政年間に建てられたものと推定される。当初は寄せ棟造りであったが、明治に入って養蚕が盛んになると、屋根の改造が行なわれ、妻側は「高はっぼう」という輪郭と反りが美しい「兜造り」に改造され、平側にも採光と煙出しの窓が造られて、風格のある建物に変わつていった。内部は、一階が主に家族の居住用として使われ、二階は下男たちの居住用と作業場・物置であり、その上に養査と作業のための三階「厨子」があり、さらにその上に物置用の「天井厨子」がある。この地方は、土地が狭いうえに積雪が多く、建物の増築が困難であったため、毎目のくらしと作業・養蚕のための部屋が一つの建物の中にまとめられて、多層の形になったものと推走される。(朝日村教育委員会の資料より)




                             
更新日2001年5月19日