2000年7月21日

出谷川


  7月の連休を八久和川(出谷川)で過ごそうと計画した。連休前に出張が入っており、今回の仕事は半年前位より決まっていた仕事であった。東京から帰りは運良く飛行機で帰ることが出来た。家へ帰って驚かされた。ここ数日山形県内に雷雨が降り、月山の鍋倉沢に渓流釣りに出かけられた近所の方が亡くなられた。鍋倉沢から梵字川まで流されたそうだ、帰ってまもなくの悲報でありショックであった。こんな矢先に、八久和ダムより入渓するか、天狗より入渓するか迷ってしまった。7月20日出発しようと計画はしていたが、一日遅らし翌日出発するよう余裕をもたせた。考慮の末、天狗より入るようにした。

7月21日(金)3時45分家を出発南俣沢に到着、5時30分ばか平より登り始める。朝から暑く本日の登りはきついのではないかと心配をしながら登る。驚いたことに南俣沢のダムがあふれていた。いつもであると川底が見えるほどの水量であったと思うがダムの上部まで水があふれており、ここ最近降った雨量のすごさを物語っていた。10時頃天狗へ着くのだろうが、今日中に出谷川へ着ければとの楽観的に考えていたのでそれほど急ぐでもなく12時頃まで途中で風景を楽しみながらの登山と考えた。

焼岳まで順調であったが、途中の登りでばててしまい、雨量観測所に着いたのが11時であった。ばてた時に持ってきた柑橘類がとても美味かった。ここより障子ヶ岳天狗小屋が見渡せ大パノラマであった。ただ今日は暑くてたまらない。ここのルート自体あまり風に当たらない地形でありほとんど無風状態で汗だけが噴出す。天狗角力山まで粟畑を迂回したが、途中まだ雪渓がかなり残っていた。天狗小屋へ到着、水場で女性パーティ3名と出会う。本日初めて出会った登山客であった。天狗角力山頂で昼食を取り休んでいると、出谷川から釣り人と思わしき2人連れがだいぶばてた様子で到着、埼玉のほうから2日前に初めて出谷川に来たと言っていた。出谷川の様子を聞くと、2日前(おそらく18日)鉄砲水があり昼間まで、かなり水量があったということであった。

だいぶ休憩を取ってしまった。岩屋沢までなのでそれほど急ぐことはないんので、ゆっくりと目的地まで向かう。30分もしないうちに空模様が暗くなり、にわか雨が降り出す。雨が止むまでブルーシートのなかで退避した。待つこと30分、遠方より落雷の音が聞こえる。すっかり晴れ上がり先ほど雲に隠れていた以東岳が姿を現す。夏山の朝日連峰の山々の美しさに感動する。岩屋沢へ急ぐ、途中4人パーティと出会う中途半端な時間であったので尋ねると、今日は天狗小屋とまりということであった。下には数パーティーすでに入っているということであった。下ること約2時間弱岩屋沢に到着する。岩屋沢には4人連れの若い釣り人が夕食の準備をはじめていた。岩屋沢の水はささ濁で、水量も多く感じられた。本日は岩屋沢にテントを張り夕食を取り就寝。

翌朝4時に目覚め出谷川を釣る。10分もしないうちに対岸に3張りのテントが見えた。コマス滝まで釣りあがるがこれといった大物のあたりはなかった。あたりがあったが、すべてリリースサイズであった。隣にいた4人パーティーはもう引き上げ誰もいなかった。昼食を済ませ岩谷沢を釣る。かなり魚影が濃くポイントごとに入れ食いの状態であった。2桁まで釣れただろうか、ただサイズが20cm以下、以上のサイズが半々であった。とりあえず3匹キープし竿を収めた。本日また2パーティーが入ってきた。入れ替わり釣り人が絶えない。夏休みを前にかなり遠方よりこられるが、出谷川にこられる理由は一度は訪れてみたい渓谷であるからだろうか。