2000年6月24、25日

大鳥池・ウツボ峰(オツボ峰)


  大鳥池・ウツボ峰

 よううやく雪解け水もおさまり、朝日連峰河川の上流部へ向かう計画をたてた。一人もいいのだが、以前大鳥池での釣りを経験していた友人がいたので誘ったが、あいにく仕事で行けないと言うことで期待外れとなってしまった。折角一週間も前に準備をしていたので単独で行くことにした。

 今回私自身大鳥池は始めてであったため、地図などを調べていたが、入山ルートが2万5千分の一の地図では、泡滝ダム手前よりのルートが記されておりルートに付いては分からないまま入ってしまった。朝4時45分に自宅を出発、途中食料調達のため24時間ショップに立ち寄る。便利なものでほとんどのものは手に入るので前日購入しなくてもほとんど事足りるので、日帰りの時にも利用させてもらっている。

 112号線を、寒河江ダム、月山ダム(貯水量が出来たばかりでほとんどない状態だが)、荒沢ダム、泡滝ダムの車止めまで約2時間の道のりであった。自宅を出る時よりかなり雨が降っていたので、今回は天気のほうは期待していなかったが、車止めに着く頃には雨はすっかりあがってしまっていた。曇っているせいもあり歩くにはちょうどよかった。車止付近にはもう10台ほどの車が止めてあり、ほとんど県外の車であった。

 車止より歩くともう大鳥川と西の俣沢の分岐が見える。西の俣沢の釜滝で昨年県外の方が亡くなっている。30分も歩かないうちに雪渓により登山道は塞がれていた。登山道と言っても大鳥池の登り手前までは平坦な道のりで重い荷物でもそれほど負荷がかからない状況であった。雪渓は川を覆うほどの規模のもので、よくもこの時期まで残っていたのに驚かされた。雪渓をわたるたびにいつ崩れてしまうのか心配しながらの歩行が続いた。崩れてしまえばいっかんの終わりで雪崩れにのまれあの世か。

 途中こしあぶらを見つけたので、休憩をかねて山菜取りを行なった。まだこの辺にも雪があり、新緑の緑がまだ残っており、平地の緑の濃さとはまた違った風情だ。初めてのルートなので、途中雪のために道路が寸断されていると、先の道が見えずに迷うことも度々あった。こういう時には一度戻って周りを見渡すと必ず通り道らしきものは見えてくるものだ。

 大鳥川の雪解け水を眼下に歩くこと一時間半、ようやく冷水沢の吊り橋に着いた。単独であると不安なもので、ようやく道に迷わなかったことが確認できて一安心した。この小さな沢も雪解け水がすごい勢いで流れており、この辺での釣りはまだ早すぎる印象であった。大鳥池へのルートも確固としたものとなり、先を急いだ。30分も歩くと大鳥川を渡る吊り橋に来ていた。この辺の雪解け水もかなりの勢いで流れており朝日連峰のそれぞれの河川のシーズンの違いに難しさを感じさせられた。

 一泊の荷物を持って家を出たわけだが、この重さのせいで大鳥池まで難渋させられた。大鳥池の登山道を、七つ滝ルートともう一つのルートの分岐点まで来たが、七つ滝のルートは閉鎖されていた。これより大鳥池まで登っていくが、中腹より上に行くに従い登山道ははっきりしなくなり、木に結ばれたリボンを目印に進んでいく。残雪も結構有り、それを処理しながらの歩行のため倍以上の時間がかかってしまったように思われた。途中山の斜面一面に雪が有り、渓流シューズを履いているせいで、ステップをきりながら行くがなかなかうまく歩けない。そうこうするうちに大鳥池近くの雪渓に到着した。

 しばらく歩くと大鳥小屋も目前に見え、ようやくのことで小屋へ到着。もう小屋には20人前後の宿泊客が泊まっており大鳥池に放流しているさくらますをつり食事をしているグループもみられた。昼食を終え、大鳥池周辺を散策したが、以東岳へのルートはウツボ峰よりのルートと大鳥池周辺をまわり東沢を渡り直登する二つのルートがある。東沢へ向かう途中のルートにも雪が残っているのと、道も崩れていたので引き返し大鳥小屋近くで釣りを楽しむことにした。さおを2,3度出したが、最近浮をつけてじっと待つような釣りをしたことがないので、馴染めず周辺の沢を釣ることにした。沢には魚影はほとんどなく、小屋に戻った。管理人(藤井さん?)さんからこの辺の沢では、ほとんど魚は釣れないれないこと、出谷川へ大鳥池より降りる人は余りいないそうで、通常は大井沢より入るのがほとんどだということを伺った。大鳥小屋は管理が行き届いておりとてもきれいであった。小屋は2階建てであったので1階に場所を取らせていただいた。この日2階のほうにほとんどの宿泊客が泊まっていたので1階のほうでゆっくり休ますしてもらいました。


コースタイム


泡滝ダム出発 7:15

冷水沢着 8:45

大鳥池登山口 9:15

大鳥小屋 11:15

  昨日は十分に休養できたし、帰りの体力を考え無理のない所まで登ることに決めた。朝4時に小屋を出発、ウツボ峰、以東岳方面へ向かう。途中雪渓が残っており道が分からず引き返す、あたりを見渡すが道が分からなかった。これより先へは進めずあきらめかけた時に、前方を見ると雪渓を越えたところに登山道路らしき道を見つけることが出来た。これより直登で一時間も登らないうちに開けた山道に出る。途中登山者と間違うような鈴の音が聞こえたので、登山者が下りてくるのかと思っていたがなかなか登山者には出会うことはなかった。鈴の音が聞こえたのは、サルの群れ約20頭のうちの1頭の泣き声だと気づくまでにだいぶ時間がかかった。あんなにかんだかい声は動物の声とは予想もつかない声であった。サルの群れに見守られながら、山道が開け、大鳥池、山道の草花が群生し始め、疲れを十分に癒してくれた。

これより上にはまだ雪渓が残っており尾根伝いにオツボ峰へ向かう。山並みが雲に隠れたかと思うとまた雲が切れ美しい山並みを見せてくれる。視界を遮るような草木はなくなり、ほとんど高山植物の低木に覆われており足取りも軽く思うように歩けた。この高さから見下ろす大鳥池は、波一つ立てずに、鏡のように周りの山々を写してくれ、神秘なものに思わせてくれた。戻る時間がきたみたいだ。あと一時間もあれば以東岳につけただろうに、これより山道を引き返すことにした。不思議とこの時間に出会ったのはサルだけであった。戻る途中4人パーティ、10人前後のパーティーと出会った。小屋に着くと小屋周辺はキャンプをしている人たちでにぎあっていた。小屋に預けた荷物をまとめ大鳥小屋を後にし帰路に着いた。

コースタイム

大鳥小屋 4:00

三角峰  6:00

オツボ峰 7:00


                                    

更新日2000年7月28日